黒い天使―私と天使の秘密な関係―
昨日、俺が真桜の部屋に入った時と同じように、部屋の中はかなり静かだ。
襖ひとつ隔てた向こうに真桜の寝室がある。
「真桜?」
襖に向かって真桜の名前を呼んだ。
しかし……隣の部屋から真桜の返事はない。
シカトか?
まぁ、いいや。
俺は部屋を出てダイニングに行った。
そこにも真桜の姿はない。
ふと、ダイニングテーブルの上を見ると、ラップのかかった皿と弁当箱が置いてあった。
その横には1枚の紙が置いてある。
それを見ると、女の子らしい可愛い字が書いてあった。
【レンヘ。
朝ご飯んとお昼ご飯を作って置いとくので、良かったら食べてね。真桜】
真桜からの置き手紙を読み終わり、ダイニングテーブルの上の皿と弁当箱に目をやった。
金髪のクルクルパーマの天使と女の子が描かれてる弁当箱。
嫌味かよ……ったく。
俺は真桜が用意した弁当箱を見て、口から笑いが漏れた。