黒い天使―私と天使の秘密な関係―
レンジでチンされた熱々のオムライス。
出来立てが食べたかったな……。
「いただきます」
「どうぞ」
スプーンでオムライスを一口食べた。
「美味しい……」
「マジで!?」
「うん」
ホントに美味しいよ。
あれ?何で?
何でオムライスが歪んで見えるの?
「真桜?」
向かいに座ってたレンが私を下から覗き込むようにして、私の名前を呼んだ。
「ん?」
「何で泣いてんの?」
「えっ?」
左手で目を触る。
指についた雫。
ホントだ……。
何で泣いてんだろう……。
「真桜?」
再びレンに名前を呼ばれた。
「レンのオムライスが美味しいから……」
私は顔を上げて、明るくそう言った。