黒い天使―私と天使の秘密な関係―
夜――。
ベッドに入った私は寝付けず、天井をボーと見つめていた。
どうして、レンはあんなことを言ったんだろう……。
どうして、私はレンに何も言えなかったんだろう……。
私はベッドから出た。
隣の部屋で寝ているレンを起こさないように静かに歩き、静かに寝室のドアを開けた。
「真桜も眠れねぇの?」
「………っ!?」
不意に声をかけられ体がビクンとなった。
顔を上げると、換気扇の電気だけ付けてタバコを吸ってるレンの姿があった。
「そんなにビックリしなくてもいいじゃん」
驚く私を見てクスクス笑うレン。
「だ、だって……。寝てると思ったから……」
私はそう言って、ダイニングの電気をつけた。
明るくなるダイニング。
「お茶でも飲む?」
「あぁ」
レンはそう返事をして換気扇のスイッチを切ると、ダイニングテーブルの椅子に座った。