黒い天使―私と天使の秘密な関係―




「私、村上先輩のこと好きだったから……だから村上先輩から本気だって言われた時には信じられなくて……でも、両想いになれたんだって嬉しくて……。でも勘違いしてました。自惚れてました。村上先輩は私のことなんて……」


「上野……」


「結婚されるんですね。幸せになって下さい」



私は頭を下げて、村上先輩に背を向けてトイレに急いだ。


村上先輩が私のことを呼んでたけど、もう立ち止まることも振り返ることもしなかった。


トイレに入ると、誰もいなくて、私は個室に入って洋式の便座に座ると、声を殺しながら泣いた。




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