黒い天使―私と天使の秘密な関係―



なぁ、真桜?


俺は…………。


"ズキンッ――"


胸が痛んだ。


シャツの胸元を掴む。


嘘だよ……嘘……。


"ズキンッ――ズキンッ――"


胸の痛みがひかない。


この前まで嘘だと思えば治まっていたのに……。



「…………くっ!」



換気扇の下、壁にもたれていた体はズルズルと床に落ちて行く。


"ズキンッ――ズキンッ――"



「はぁ……はぁ……」



壁にもたれて座り込む。


まるで誰かに心臓を手で思いっきり掴まれてるような……。


冷や汗が出て来る。


シャツを掴む手に力が入る。


ヤバいな……。




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