黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「姿が……消える……」
俺がそう静かにそう言うと、見開いてた真桜の目が余計に大きくなった。
俺の腕を痛いくらい掴んで首を左右に振る真桜。
「……だ……やだよ……消えたら……やだ……」
「決まり……だから……仕方ねぇんだ……」
真桜の頭を優しく撫でる。
人間に恋をしたら……決まりを破った者は……姿が消える。
姿が消えて、天使には2度と戻れない。
姿が消え、天使に戻れない者は、やがて人間として生まれ変わる。
これが天使として生まれてきた者の決まりなんだ……。