黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「何かあった?」
缶コーヒーを一口飲んだ後、彼がそう聞いてきた。
「えっ?」
私は彼を見上げる。
「あっ!初対面なのに……ゴメン……。でも僕を見た時のキミの顔とか僕の名前を知ってたり……。だからさ……」
彼に本当のことを話して信じてもらえる?
レンという天使がいて、その天使と3日間だけだけど一緒に暮らしてた……そんなこと言って信じてもらえる?
多分、信じてもらえない……。
「昔の知り合いに似てて……。名前も同じだったから余計にビックリしました」
「そっか……」
彼はそう言って、遠くを見つめていた。