黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「あの……」
相川さんがベンチから立ち上がり、私の前に立つ。
「はい……」
私も立ち上がり、相川さんを見上げる。
「あの……初対面で、こんなことを言うのは失礼だと思うんだけど……あの……また、僕と会ってくれませんか?」
「えっ?」
「ダメ……かな?」
私は何も言わず、首を左右に振った。
「じゃー……」
「私で良かったら……」
恥ずかしい……。
相川さんの顔が見れない。
私たちの間に、秋の心地良い風が吹き抜けた。
新たな恋の予感――。
風が吹き抜けた後、レンの声が聞こえたような気がした。
やっと会えたね――。
―END―