論理的サイエンティスト
愛と論理
扉の前について息を整える。
そっと取っ手に手をかけて、開けた。
「そうなんですか!へえ、知らなかった」
「だからこれ、書き直し」
「えー!」
途端に広がる明るい声に、場所を間違えたのかと思ってしまった。
だけどさっき見たのは、たしかに科学研究室と書いてあって。
部屋の奥にいるのは、たしかにいつもの白衣を着た渚。
その傍にいるのは、全く知らない女の子。
「あれ?先生、お客様ですよ」
「……」
先生、と呼ぶからには、生徒なのかな。
ふんわりと笑うその女の子は、可愛くて、いるだけで場を明るくする雰囲気を持っていた。
女の子の声に渚はこちらに視線を向けると、溜息を零してすぐ目を逸らした。