論理的サイエンティスト
「え、先生に?…渚って……」
あ。
渚なんて言っちゃダメだったのかもしれない。
ここは大学で、無関係者が助教授を下の名前で呼ぶなんてダメなのかも。
「すいませ…
「お邪魔しましたっ!!」
急いで謝ろうとしたところを、女の子はすごいスピードで科学室を出ていった。
なに、今の。
最後のにんまり笑った顔。
わけがわからなくて困惑していると、渚が舌打ちする。
「コーヒー」
単語だけでしゃべっていても、不機嫌なのが丸わかりだ。
そもそも、怒る理由はあっても、あたしが怒られる理由はどこにもないと思うのだけれど。
ードンッ!!
そう思うとムカついてきて、乱暴に渚の机の上にコーヒーを置く。
だけど渚は気にする様子もなく、そのコーヒーを受け取った。