論理的サイエンティスト
「だれって、生徒」
たったそれだけ。
なのにそこに壁を感じてしまうのはきっと、渚が滅多に見せない笑顔をあの子に向けていたからだ。
「な、なんの話をしてたの?」
「科学の話だけど?」
「どんな?」
「……さあ」
なんで答えないわけ?
だんだんとイライラが募る。
「どんな、科学の話なの?」
「…それ、仁那に言ってわかるのか?」
わかんないかもしれないけど、どんな話なのか気になるじゃない!
ただでさえあたしはそこらへんの店員で、
渚は天才の助教授なんだから。
あの子の方がずっとずっと、
渚に近いんだもん。