論理的サイエンティスト
「わかんなくても、知りたい」
それがあたしの精一杯の気持ち。
なのに渚は眉間に皺を寄せてから、
「面倒くさい」
その一言で片付ける。
それが、あたしと渚の違い。
長い睫毛は伏せたままで、大きな溜息が遠くの方で聞こえる。
あの子に向けたのは、その銀色の瞳と滅多に見せない微笑み。
あたしに向けたのは、ただの溜息。
なんか本当に、わけわかんない。
「…もういい。渚なんか知らないっ」
「は?」
「もっと気が利いて、優しい人が好きなのに!なんでこんな科学オタク好きになっちゃったのよッ」
「……」
さんざん聞いといて挙げ句の果てに逆切れして。
渚が珍しく目を丸くして驚いているのが見える。