論理的サイエンティスト
涙を止めないまま廊下を歩いていると、やっぱり目立つ。
だけど止まらないからしょうがないんじゃないか。
そう思いながら、トボトボと歩いた。
渚は、来ない。
いつも帰るときは一人だったけど、
今日は気持ちが全然違う。
だって渚に大っ嫌いなんて言っちゃったし。
もう二度と呼び出しは来ないわけだし。
全然、渚と関係ない人間になっちゃったんだ。
ートン
俯いて歩いていたから、角をまがった瞬間にぶつかってしまった。
うわー、最悪。
顔、あげられない。
「すいません…」
少し失礼だけれど、俯いたままそう謝った。
「…あれ、四条さん?」
だけど聞こえた声に顔をあげる。