論理的サイエンティスト
「あ、僚右君…?」
さっき自動販売機の前で会った、僚右君がくりくりの目を向けていた。
「ええ!?どうしました?」
僚右君はしっかりと瞳を向けてくれる。
それがなぜか嬉しくて、止まりかけていた涙がボロボロで出てきた。
びっくりして焦りだす僚右君が見えるけれど、止まらない。
「四条さん?ちょ、待って」
すごくすごく迷惑をかけてる。
だってこの図、僚右君が泣かせてるみたいじゃん。
僚右君はしばらく焦っていたけれど、
少ししてから小さな溜息を零した。
「雨來先生、ですね?」
…へ?
てっきり怒られると思ったのに、顔をあげると優しい微笑みを浮かべている。
「雨來先生が原因でしょ」
ニッと笑いながら、あたしの濡れた頬を指差した。