論理的サイエンティスト
「渚ってば!」
しびれをきらして叫んだら、渚はやっと手の作業を止める。
わざとらしい溜息を一つ零して、こっちに目を向ける…──かと思えば、そうではなく。
また作業を始めた。
「渚、ちょっと暇なんだけど!」
研究室を訪れてから1時間が経っているというのに、渚は一言もしゃべらず。
あたしはボーッと、ただ椅子に座っていた。
言外に実験中断しろ、と言ったはずなのに。
渚は全く気にする様子もなく。
「これ、仕事。あんまり煩くするなら、出入り禁止にするよ」
冷たい瞳を向けもせず、
たったそれだけを言い放った。
はあー!?
なにそれ!
あんたが最初に呼び出したくせに!?
あまりにも理不尽な言い方に憤慨して、耳元で叫んでやろうかと思うくらいだ。