論理的サイエンティスト

仕事に戻ったって、渚からのメールは来ない。

まあもとからメールする時間があったら実験するって人間だったけど。


でも、5年も近くにいた女が泣いて大っ嫌いって言ったのに、
何も気にならない方がおかしいんじゃないの?

ああ、渚はあたしのこと、
それだけ興味なかったのか。


なんて、全部マイナス思考だ。


ほとんど気が抜けたみたいに仕事して。

事故らなかったのがおかしいくらい、
ボーッとしながら家に帰った。



あの時告白しなかったら、こんなふうに思うことなかったんだな。

今更遅いけど、ホントにそう思う。

向こうはどうせあたしのことなんて知らなかったんだから。



< 21 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop