論理的サイエンティスト
いつだって渚からの呼び出しで、友達と会えなくなるし。
渚は渚で、研究室に籠りっきり。
だから来てみたかったんだ。
「何食べたい?」
「え…、いっぱいあるね…」
「たしかに。俺はねー、モンブランとかおすすめなんだよ」
そう僚右君が言うから、モンブランとダージリンの紅茶を注文した。
ケーキを待っている間も、僚右君はたくさん話題を出してくれて。
全然、途切れない。
こんな紳士みたいな人は初めてで、びっくりして、戸惑う。
だけど、どうしても渚と比べちゃう。
「…元気、やっぱりないね」
「え」
悲しく笑った僚右君に、目を見開いた。
「全然、笑わないじゃん?」
「っ、そんなこと、ない…
「心理学者をなめちゃダメでしょ」
ばれてたんだ。