論理的サイエンティスト
不器用な科学者
*
僚右君の話を聞いたって、あたしと渚の関係はどうこう変わることじゃなくて。
次の日も、普通に出勤。
渚のいる大学の前を通って、店に入って。
普通に働いた。
「仁那ちゃん、お昼食べにいかない?」
昼の休憩に入ると、先輩二人がにっこり笑って言った。
少しだけ迷ってから、はい、と返事をする。
たったそれだけ。
何も変わらない。
少しだけ期待してたあたしが、やっぱり惨めでしょうがない。
「隣の大学の学食、すっごく美味しいの!」
「へー、じゃあそこ行こうよ」
「……へ?」
ぼーっと聞き流していたら、先輩達の話が変な方向にいってる気がする。
隣の大学の、学食……?
渚の大学の!?