論理的サイエンティスト

不器用な科学者




僚右君の話を聞いたって、あたしと渚の関係はどうこう変わることじゃなくて。

次の日も、普通に出勤。

渚のいる大学の前を通って、店に入って。


普通に働いた。


「仁那ちゃん、お昼食べにいかない?」

昼の休憩に入ると、先輩二人がにっこり笑って言った。


少しだけ迷ってから、はい、と返事をする。


たったそれだけ。
何も変わらない。

少しだけ期待してたあたしが、やっぱり惨めでしょうがない。


「隣の大学の学食、すっごく美味しいの!」

「へー、じゃあそこ行こうよ」


「……へ?」

ぼーっと聞き流していたら、先輩達の話が変な方向にいってる気がする。

隣の大学の、学食……?

渚の大学の!?


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