論理的サイエンティスト

「俺が何を言えばここに来るのか、全然答えが見つからない。考えても見つからない答えなんて初めてで、本当におかしくなる」

「……は?」


何を、言えば?

そんな言い方、ここに来てほしいって言ってるみたいじゃん。

あたしに来てほしいみたいじゃん。


だけど顔が熱くなりかけて、それからまた考え直した。

それって、あたしのことが好きだから、じゃないかもしれない。


ここに来てほしい理由なんて、探そうと思えば見つかる。

「都合のいいパシリとして?」

「はあ?」

「だ、だって、あたしなんて簡単だから、あんたが言えば来ちゃうから、パシリには持ってこいだし、それに……ンっ」

それに、の続きは言えなかった。

顔をあげたときにチラッと見えた渚の顔が相当不機嫌だったのもあるけれど、
近づいてきた渚の唇に、言葉を塞がれた。

科学室でキスするなんて初めてだ。

なのに、いつも以上に渚の口が熱い。
舌が熱を持って、口内を犯す。

独占欲にまみれたようなキスが、あたしの体まで熱くした。


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