論理的サイエンティスト
だから不安になるんだってば。
あたしはただ平凡な頭しかもってなくて、
渚は天才なんだよ。
冷静に考えたら頭がよくて才能があって、
同じものに興味があった方がいいに決まってる。
「科学の質問だったから、答えただけ。あんまり自分の表情なんか覚えてられないし」
「…あたしが科学の質問したら、同じように笑うわけ?」
「…はあ?」
こんなの、屁理屈みたいな話でしかないけど。
それでも安心できる言葉がほしい。
今日の渚全部が夢みたいで、
もしかしたらホントに夢なのかもしれないって思う気持ちと。
次の言葉でどん底に撃ち落とされるんじゃないかって思う気持ち。
二つが混ざり合って、どんな言葉が欲しいのかもわからなくなってきた。
「仁那がそんな質問する日が来るの?」
「なっ!」
あたしだって!
……そりゃ、ないだろうけどさ。
例えばの話じゃん!