論理的サイエンティスト

大学の食堂の、すぐとなりにある自動販売機に向かった。


この大学、有名な私立だから、普通にスタバとかも入ってるんだけど。

渚はどうしても、BOSSのブラックが飲みたいらしい。


変なこだわりだな。



だけどなんだかんだ言って、ちゃんとBOSSのブラックコーヒーを買う。

自販機の前に立ち止まって、120円を入れてからボタンを押した。


ーピッ

機械の音が聞こえて、ガコン、とコーヒーが落ちてくる。


これを持ってアイツの部屋に行けば、あたしの仕事は終了なわけで。

また、ファーストフード店のウエイトレスに戻る。


本当、なんのために呼び出されてんだろう。


自分の行動の無意味さに溜息を零していると、あたしの横で人が止まった。


…あ、もしかして自動販売機を塞いでるから?

そう思って、

「すいません」

と一言謝る。


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