Tears story〜人魚姫の涙〜
「アリネ?」
何度も何度も手に、足に力を入れては立ち上がろうとするけれど、アリネはすぐ崩れてしまっている。
困った顔をして、アリネの瞳が俺を映した。
「…………」
ふぅ、と軽く息を吐くと、アリネの肩がビクッと跳ね上がった。
そんな彼女に、思わず笑みを漏らして、俺は彼女に触れた。
いつもそんな風にしてれば、幼なじみの俺でも可愛く思うのに。
とかなんとか思いながら、触れた先。
アリネから飛び出した言葉は、やっぱり普段の彼女らしいものだった。