Tears story〜人魚姫の涙〜
「……」
ポンポン。
大丈夫だよ、と思いを心の中で呟いて。
俺はアリネを肩に担いだまま、そこから離れようと、ただただ歩き続けた。
たまに思うよ。
ケンカしてまで、俺のために怒ってくれる事を、
嬉しいって。
そうなる原因を作ってるのは俺なのにな。
だけど何度でも思うよ。
アリネが俺の幼なじみで、傍にいてくれてよかった。
不器用な俺は、言葉にして、伝える事は出来ないけれど。