Garden3
とかげのしっぽ
神様って、いると思う?
俺に、そう聞く人間には、必ずこう答えた。
「いるって信じてる人間の心のなかになら」
でもさ、考えてもみろよ。
一体どんだけの人間が、本気で信じてるよ?
それはつまり、いないと思うに同義。
別に、目に見えるものしか信じないなんて、俺は言わんよ。
でも、俺は神様は信じてないんだ。
その存在が、人間には必要なものだから、仕方ないんだよ。
いつも、なんか大事なことを忘れて生きてる気がするからなんだよ。
なんのために生きてるかってさ、そいつが欠けてるからさ、
人間ってやつは不自由なんだよ。
理由があれば何でもいいのさ。
俺たちには、なんだってできるよ。
生きることも死ぬことも、選べるんだよ。
産むことも、殺すことも、選べるんだよ。
だから怖いんだ。
不安なんだよ。
それが、正しい道なのか、何かに辿り着くのか。
道しるべが欲しいんだよ。
だから、神様を作り出したんだろ?
人間の求める理想、心の安定。
誰かに、何かに、許されていたいんだよ。
その道でいい、生きてていい、忘れてていい。
信じてなくてもいい。
ただ、幸せになることを。
笑って暮らすことを。
無条件に誰かが願ってくれることを、求めてんだろ。