─ Alice ?─
「──リス…
ア…ス!アリス!!!」
目を開くと、
目の前には見覚えのある紫色の耳の人物。
「チェシャ、猫…??
あれ、私……
あ!!シロウサギさんは!?
さっきまで
シロウサギさんが……」
そこまで言って
はっとした。
「シロウサギ…─??」
チェシャ猫の顔が
険しくなる。
チェシャ猫はシロウサギさんに
会っていないんだ。
どうしよう…
正直に言った方が
いいのかな…??
私が迷っていると
チェシャ猫は
問い詰めるように
攻め寄ってくる。
「答えろ、アリス。
シロウサギが…何だって??」
もはや逆らうなど無理。
私は息を思い切り吐く。
「薔薇のトンネルで
シロウサギさんに会ったわ。」
ギリッ
チェシャ猫の
歯を食いしばる
音が響く。
「イカレウサギ…。
やはり"アイツ"が
仕掛けやがったな。」
「"アイツ"って…?」
「あ??いや、何でも…
!!!!!おいアリス!!!
お前…その首筋──!!」
私の腕を掴み
急に大声で怒鳴る。
ビクッと体が跳ね、
体が強張る。
「クッ………!!
あの野郎……
絶対に許さねえ!!!
俺が、
絶対に、
アリス。お前を……─。」