─ Alice ?─
『アハハ♪
真っ赤に染まる…
真っ赤に染まるんだ。
みんなみんなみーんな
綺麗な真っ赤に…』
ネジが外れたように
笑いながら言う。
「何が楽しいのよ!!
皆が狂い、
皆が血を流す姿の
どこが綺麗なの?
あなた可笑しい…
可笑しすぎるわ!!!」
白兎が狂わなければ
よかったんだ。
そうしたら
帽子屋さんだって
狂いはしなかった。
チェシャ猫だって
いなくならなかった。
シロウサギさんだってきっと─
そうだ
白兎がいなければ
いいんだ ?
そっか
白兎 が 消えちゃえば
イイんだ 。
「白兎 が消えチャエば…─」
「アリス!!!」
ハッとした。
私、今…何を思った?
私、…─
「 まだ 時 は
満ちておりません。
白兎様、
お遊びはほどほどに。 」
丁寧な口ぶりで
白兎を宥め、
私に手を差し出す。
この人、誰…?
「初めまして、アリス。
先程は失礼いたした。
私の名は ハートエース 。
トランプ兵NO.1の
剣の達人且つ
白兎様のお世話役だ。」