─ Alice ?─




『アハハ♪
真っ赤に染まる…
真っ赤に染まるんだ。

みんなみんなみーんな
綺麗な真っ赤に…』



ネジが外れたように
笑いながら言う。




「何が楽しいのよ!!
皆が狂い、
皆が血を流す姿の
どこが綺麗なの?

あなた可笑しい…
可笑しすぎるわ!!!」




白兎が狂わなければ
よかったんだ。

そうしたら
帽子屋さんだって
狂いはしなかった。
チェシャ猫だって
いなくならなかった。


シロウサギさんだってきっと─





そうだ




白兎がいなければ
いいんだ ?




そっか



白兎 が 消えちゃえば




イイんだ 。



「白兎 が消えチャエば…─」




「アリス!!!」





ハッとした。
私、今…何を思った?



私、…─





「 まだ 時 は
満ちておりません。
白兎様、
お遊びはほどほどに。 」



丁寧な口ぶりで
白兎を宥め、
私に手を差し出す。




この人、誰…?



「初めまして、アリス。
先程は失礼いたした。



私の名は ハートエース 。
トランプ兵NO.1の
剣の達人且つ
白兎様のお世話役だ。」
< 119 / 397 >

この作品をシェア

pagetop