─ Alice ?─





「ハードケース?」


すごいネーミング…



「ハハハ!!ハートエースだよ。
アリスはお噂通りのようだ。
猫が懐くのも
納得だな。」



ウンウン、と一人で
納得しながら言う。



それよりも…



「あの…白兎、
さっきは、その……



ごめんなさい。」




消えちゃえば…
なんて絶対に
思ってはいけない筈なのに


どうして私
あんなこと…


正直あの時の私は
マトモでなかった。



「気になさるな。
白兎様のお遊びの
度が過ぎただけだ。」



ハハハ!と爽やかに笑い
私の頭をがしがしと
撫で回す。



ああ、髪ぐっちゃぐちゃ。




チラリと白兎に目をやると
つまらなさそうに
頬を膨らませていた。



『あと少しだったのに…
何でハートエースが
ここにいるんだよ!!』



ジタバタしていると
ハートエースに
ひょいと持ち上げられる。



「ハハハ!!
白兎様の居場所なら
私はどこだって
分かるのですよ。
さ、お城へ帰りましょう。」



暴れる白兎を担いで
ではまた!と
爽やかな笑みで
手を振りながら
ハートエースは走り去っていった。
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