─ Alice ?─



「行っちゃった…。」



これからどうしよう?



一人で薄暗い森を
進んでいくほど
度胸はないし…


だからといって
ここにいるのも怖い。



チェシャ猫がいれば…




そうだ、チェシャ猫。
どこに行ったのかな…
私のこと、
嫌いになったのかな…



「あーダメダメ!!」


パンッと頬を叩き
気を引き締める。



考えていたって仕方ない。


とにかく行動しなくちゃ。


さて……



a.森を進む。
b.元来た道を戻る。




戻ったら意味ないよね?
よし!!進もう!!



そう思い
一歩踏み出した瞬間



「カアァアアァァア!!!」



「ヒィヤアアァア----!!!!!
無理無理無理イィイ!!」



一人で森なんて
進めないわよ!


体が反射的に
来た道を戻っていた。



ああ、後戻り。
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