─ Alice ?─
***
『…………。』
「ハハハ!!何をそんなに
怒ってらっしゃる。」
『………。』
「ハハハ!!まだ時間は
充分にありますよ。」
『……時間なんて
どうでもいいんだよ。』
「フウ…
今回のアリスがそんなに
気に入りませんか?」
むすっとした顔で
首を縦に振る。
ああ、あなたはなんて
可愛らしい方なのだ。
「どうして
気に入らないのですか?」
『……分かってるくせに。
ハートエースはいっつも
そうだよね。』
ふてくされたように
そう呟く。
分かっていますよ。
あなたの
考え・思い・行動
全て私には分かります。
今回のアリスを
気に入らないのだって
あなたらしい理由です
「手に入らないものほど
手に入れたときの
満足感は
素晴らしいものですよ?
白兎様。」
そう。
あなたはいつだって強欲で
どんなものでも必ず
手に入れる方です。
どんな手を使おうと。
でも、今回は
少し手こずりそうですね。
『変態イカレウサギのせいで
僕のアリスが傷モノだよ。』
「ハハハ!
さすがシロウサギ殿です。
手を打つのがお早い。」
まさか薔薇のトンネルで
接触していたとは…。
『今頃薄ら笑みを
浮かべてアリスの味を
思い出しているんだ。
チッ……僕が、
僕だけがアリスを堪能する
筈だったのに!!!』
悔しそうに
歯を食いしばる姿も
なんて愛らしい。
あなたはどうしても
アリスを独り占め
したいのですね。
ならば私が
「あなた様の願いを
私が叶えられなかったことが
今までにア リ マ ス カ ?」
あなたの望みを
叶えてさしあげます。
するとほら、
みるみるうちに
笑顔になるでしょう?
『期待してるよ。
僕のハートエース♪』
私はあなたの
お世話役ですからね。