─ Alice ?─
「ハァ……ハ、ァ…。」
吐き出せるものを
全て吐き出し、
少し落ち着いた。
「落ち着きましたか?
アリスにはまだ
早かったかもしれませんね。」
早かった、という
言葉の意味をいまいち
理解できず、
思わず首を傾げる。
「気になさらないで下さい。」
ニコリ、と笑い
歩き出してしまう。
「えッ……ちょっと…」
よろよろと
力無く立ち上がり
帽子屋さんを追いかける。
「ま、待って、
帽子屋さん……待っ、てぇ…。」
体が思うように動かない。
それに眠たい。
色々なことが起きて
頭もパニック状態。
もう、疲れたな…
グラッ…
視界が歪む。
「嗚呼、倒れる。」と
意外と冷静に
判断できる自分に
驚きながらも、
気力は限界に達していた。
「おやすみなさい、アリス。
薔薇たちがあなたに
最高の夢を
見せてくれるでしょう。」
─悪夢、と言う名の
最高の夢を、ね。─
帽子屋さんの
声を微かに聞き、
私は眠りについた。