─ Alice ?─
──
『ア-リス♪遊ぼー♪』


パタパタと小走りしながら
駆け寄っていく
兎耳の少年が見える。
あれは…白兎?


「あら、
また抜け出してきたの?」

クスリ、と優しく笑う
可愛らしい少女の姿。
この子も…私と同じ、
アリスと呼ばれた。



『だってつまらないんだもん。
アリスといるのが
いっちばん楽しい♪』


フフフッ♪と頬を赤く染め、
少女の膝の上に
ちょこんと座る。



『ねーねーアリス。
アリスは僕のことスキ?』


少女はクスリと笑い
当たり前のように言う。


「ええ、スキよ。」


『いっちばんスキ?』


キラキラと目を輝かせ
少女に答えを求める。


「ええ、いっちばんスキよ。」


それを聞き満足したのか
膝から飛び降りクルリ、と
少女に向き直る。



『じゃあ…





僕のこと、 ア イ シ テ ル ?』
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