─ Alice ?─



「イヤァ゙ァアアア゙ァアアァ!!!」



耳を塞ぎたくなるような
悲痛な叫び。




少女が蔓に飲まれ
姿が消えていく。



「ど、うし……て…?」



切なげな声がした。



『どうして?

そんなの自分が
一番分かっているくせに。
嘘つきは嫌いなんだ、僕。』




何のことだか全く
わからない。


ただ、白兎の表情が
とても悲しそうで。



「宜しいのですか?白兎様。」


聞き覚えのある爽やかな声。



『……煩いよ、ハートエース。
どうせ次のアリスが来たら
今のアリスだって殺されるんだ。
だったら…』


「肉体は滅びようと、
本当に愛しい人と
過ごして頂きたい、と?」

ハートエースが
優しく白兎を抱き上げ言う。



『……煩いよ、ハートエース。』




ギュッとハートエースに抱き付く
白兎の姿は微かに
震えているように見えた。
< 135 / 397 >

この作品をシェア

pagetop