─ Alice ?─
「イヤァ゙ァアアア゙ァアアァ!!!」
耳を塞ぎたくなるような
悲痛な叫び。
少女が蔓に飲まれ
姿が消えていく。
「ど、うし……て…?」
切なげな声がした。
『どうして?
そんなの自分が
一番分かっているくせに。
嘘つきは嫌いなんだ、僕。』
何のことだか全く
わからない。
ただ、白兎の表情が
とても悲しそうで。
「宜しいのですか?白兎様。」
聞き覚えのある爽やかな声。
『……煩いよ、ハートエース。
どうせ次のアリスが来たら
今のアリスだって殺されるんだ。
だったら…』
「肉体は滅びようと、
本当に愛しい人と
過ごして頂きたい、と?」
ハートエースが
優しく白兎を抱き上げ言う。
『……煩いよ、ハートエース。』
ギュッとハートエースに抱き付く
白兎の姿は微かに
震えているように見えた。