─ Alice ?─



アハハハハ、と楽しそうに
笑い出す白兎。

その様子を愛しそうに
見つめるハートエース。


異様、である。



恐ろしいことを
平然と言う白兎に
恐怖、と言うよりも
嫌悪感を抱いた。



『アイツ、
今頃どんな顔でアリスを
見ているんだろうね♪
あ、もうアリスじゃなくて、
薔薇と抜け殻に
なっちゃったのか。
アハ、アハハハハ♪』



「随分と楽しそうですね。」




聞き慣れた声がする。
そう、
こんな変な夢を見る
原因を作った薔薇の貴公子



………薔薇、?



「私のアリスの身体を
受け取りに来ましたよ。」


帽子屋、さん?
どうして帽子屋さんが…


何かが引っかかる。



『なーんだ、いたんだ。
てっきり薔薇に
見惚れ死んでるかと思ったよ。
イカレ帽子屋。』


「残念ながら……
今回のアリスは
《 紅 》が足りないようでして…

身体を捧げないと
綺麗に染まってくれぬ
ようです。」



ニコニコといつもの
笑顔を浮かべたまま
平然とものを言う。



『フンッ!
ワザと身体に血を残してるから
当たり前だろ!!
次のアリスが来た時に
説明してやれば?
薔薇は
血でできているんですよってさ!!
その時にアリスを殺して
目の前で見せてやれよ!
きっとお前に殺されて
大喜びだよ!!アハ、アハハハハ♪』
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