─ Alice ?─
「少しお喋りが
過ぎますね、帽子屋。」
止まった空間の中から
現れたのはハートエースだった。
「…どういう「おやアリス。
そんな痛々しい姿で…
全く狂った薔薇ほど
厄介なものはいないですな。
ハハハ!!」
不審な目で見つめるも、
お気楽なハートエースは
そんなことお構いなしで
一人で喋り続ける。
「いや、あの「それにしても
この薔薇園は
いつ来ても美しい。
歴代アリスの
美貌の象徴ですな。
さて、アリス。
質問なのですが…」
話聞こうよ、なんて
言えずとりあえず頷く。
「この薔薇は、
誰の《 紅 》で
染まりましたか?」
ドクン
先ほどの残酷な場面が蘇る。
肉から血が噴き出す、
あの、残酷な場面が。
「あっ……!!嫌!!」
思わずそう叫ぶ。
だが、私の様子なんて
気にせず言葉を繋げる。
「 ア リ ス 。答えなさい。
まだ死にたくないのでしょう?」