─ Alice ?─



それにしても広いお城。


真っ赤な絨毯を
どれほど進んだだろうか。


帽子屋屋敷の何倍だろう…



「ここが僕の部屋だよう。」


ガチャリ、と扉を開けると
そこはまるで玩具箱。

沢山のぬいぐるみや
玩具で埋め尽くされ、
大きなベッドの上にも
うさぎやクマのぬいぐるみが
並べられていた。



「可愛い。
女の子の部屋みたいね。」


ごく普通の感想を述べる。

しかし、
キングはピクッと反応し、
「そうかなあ。」と
声のトーンをやや低くし
ニコリと笑った。



「アリス、
可愛いものスキでしょう?

だから僕も
可愛いものがスキなんだよう?」



むむむ胸きゅん!!
なんて可愛らしいの!!


思わずはぐ(二回目)。

すると、
何やらむにゅ、と
触れられた感触。

いや、触れられた
というより…


も、揉まれたような……


「アリスのここ柔らかあい♪」


可愛らしい笑顔を向ける
キングの手は私の小さな胸。

小さい手で小さい胸を
しっかりと掴んでいた。



「こ、こらこらこら!!
駄目で、しょう?」



慣れない感覚に
躊躇いながらも、
相手は子ども。
優しく宥める。



「僕、知ってるんだよう?

アリスの喜ぶこと。

子どもだからって
甘く見てると後悔するよう?」
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