─ Alice ?─


《 誘惑 》


確かにそうだ。
帽子屋さんの薔薇の香りは
私を惑わし、酔わせる。
瞳に呑まれ、
愛を誓いそうになった
こともあった。


それに



森で迷ったあの時。



何故、薔薇の香りに
吸い寄せられるように
短時間で帽子屋屋敷に
着いたのか…。


私を誘惑していたから?


「あいつは【帽子屋】
という名を持つ薔薇だ。
全ての薔薇が
敬い、羨み、従う。

そう、最高の美を司る
世界一の薔薇…だったんだ。


さあ、この話は終わりだ。

俺の忠告、忘れるなよ。」

それだけ言うと
キングはヒラヒラと手を振り
部屋を後にした。



なんだか色々な情報が
一気に入ってきて頭が痛い。


どうすればいいかも
分からないし……

とりあえず部屋を出て
お城探索スタート。
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