─ Alice ?─
『まさかアリスが城に
いたなんて…
やはり私とアリスは運命の
「いや、違いますすみません。」』
全力で否定させて
いただきたい!!
「私がここに来たのは
ハートエースに守ってもらう為よ!」
キッと一睨みし、堂々と言う。
すると、シロウサギさんは
不思議そうな顔で
こちらを見ていた。
『……ハートエースに?
アリス、貴女は彼に
何を言われたのです?』
「何って…
私と共に
城へ行きましょうって。
狂った住人たちから
守ってくれるって…。」
そう、守ってくれる。
たしかに聞いた。
『狂った住人?
それは私のような
住人のことですか?』
「…………あっ。」
嘘。
『可笑しいですね。
狂った住人から
守る為に城へ?
私が住んでいるのを
知っていながら?
私だけでなく、
白兎も住んでいるのですよ?
ハートエースはさぞや
強いのでしょうねえ。』
お願い、嘘だと言って。
『気づきましたか?』
信じられると思ったのに。
結局ハートエースも
私を騙していたの?
『良いことを教えて
差し上げましょうか?
アリス。
貴女に味方、なんて
1人もいませんよ。
いや、いるはずがない。
何故なら皆、
アリスをアイシテいるから。
それが必然の理だから。』