─ Alice ?─
必然の理─
キングが言っていた。
皆アリスをアイスル。
否定などしてはいけない。
私も、住人も。
それが必然の理だから─
『嗚呼、なんて可哀相なアリス。
猫に裏切られ、
帽子屋に惑わされ、
白兎に遊ばれ、
ハートエースにすら
騙されていたなんて…!!』
オーバーリアクションで
シロウサギさんが嘆く。
白い頬がピンクに
染まってしまうほど。
私のアリスが!!
アリスになんてことを!!
とか嘆いている。
嗚呼、ほっといてほしい。
『私のアリスになって下さい!!
私は決して貴女を
悲しませたりしません!!
私が…私なら…
貴女の辛い全ての記憶を
忘れさせてあげられます。』
真剣な眼差しで
私を説得するように語る
シロウサギさん。
だが、その姿は以前とは違う。
そう、まるで…
「……何を、焦っているの?」