─ Alice ?─
「…同じじゃない?」
率直な疑問である。
しかし二人は首を横に振る。
『違うよ。
僕は《モノ》を
手に入れるためなら
他の奴らなんかどうだっていい。
寧ろみーんな
消えちゃった方が好都合♪』
『私は
欲しい《モノ》に対して
遠慮などしません。
いずれ私の
《モノ》になるのなら
傷つけようが何をしようが
私の自由…。』
分かった気がする。
二人の相違点。
白兎は
私には被害を加えない。
だが、周りの人達には
何だってする。
シロウサギさんはその逆。
周りには被害を与えない。
だが、私には……。
どちらにしろ、
この《白兎─シロウサギ》
という人?には
抑制する、なんて考えは
持ち合わせていないらしい。
それとも、
黒兎が捕まってしまったから
なのかな?
「うーん……わからない。」
謎は増えるばかりである。
『フフフッ♪アリスはお馬鹿さん。
そんなアリスにクイズ♪』
小馬鹿にしたように
私に言う白兎。
こんな可愛い姿じゃ
なかったら…
今頃、貴方の顎に
アッパークリーンヒットよ。
『双子が一本の鉛筆を
取り合っています。
半分こ、には出来ません。
アリスならどうする?』
「…新たに一本買う。」
『でも二人とも
新しい方がいいよね。』
「じゃあ二本買う。」
『じゃあ元々の一本は?』
元々の一本か…
「うーん、
無かったことにできたら
楽なんだけど…」
無かったことに…?
『僕らもそう思ったんだ。
だから捕まえた。』
『私達に抑制、なんて
必要ありませんから…。』