─ Alice ?─
爽やかな笑顔を浮かべ
私に歩み寄るハートエース。
私の心の隙に漬け込んでおいて
よくもまあ…
「こんの……嘘つき野郎!」
思わず暴言。
「いきなりどうなされたのだアリス?」
すっとぼけちゃって!!
キイー!!!腹立つうー!!
「何よ嘘つき!!
守る、なんて甘いこと言って
私を誘惑して…
貴方も結局白兎の味方
なんじゃない!!」
ゼーゼーなりながらも
思い切り吐き捨てる。
しかしハートエースは笑顔を
一切崩さず私に歩み寄る。
その姿はまるで操り人形。
「ハハハ!!面白いですな、アリス。
何を勘違いされているのです?」
……勘違い?
「何よ…勘違いって…」
「私は確かに貴女を
御守りする、と申した。
狂った住人たちから守る、と。
では狂った住人とは?
誰のことを差しておられるのだ?
貴女が白兎様を狂った
住人だと思っていても、
私は白兎様をそうは思っていない。
貴女がシロウサギ殿を狂った住人と
思っていても、
私は思っていない…
アリス。
貴女は肝心なところが
抜けておられる。」
確かにそうである。
私が勝手に全ての敵から
助けてもらえると
勘違いしていただけで、
ハートエースが私に
嘘をついていたわけでは……
「軽率、ですな。」
………はい?
「貴女は軽率すぎるのだ。アリス。」
え、何この展開。
「いや、そう言われましても…」
「貴女には味方などいないのです。
シロウサギ殿も仰っただろう?
なのに貴女は今、
私と二人きりなのに
ボケーッと突っ立っている。
今私が貴女に切りかかれば
一瞬であの世逝きですぞ!!」
妙に熱く語りだすハートエース。
私何かした?