─ Alice ?─

「大体アリスは…─」


もはや愚痴のように
私に説教をしだすハートエース。

はいはい、と
軽く受け流していると、
急に神妙な顔つきで
私を見つめた。



「な、なに…?」



「貴女という人は…


どうしてそう危機感がないのだ。」



悲しそうな、だがどこか
怒りが籠もったように
私に言い放つ。


「白兎様は……白兎様は、



貴女のことを守る為に…─」




ハッ、としたように
私から目を逸らす。


「白兎が…何?」



何かを隠している。


白兎?私を守る為?
全く分からない。




「……気になさるな。独り言だ。」


さっきまでの爽やかな
笑顔なんて微塵もない。


険しい表情でどこか
遠くを見つめていた。


「…私は独り言が多いのだ。

これから話すことも
ただの独り言だ。



いいか?ただの独り言だ。」



えーっと………




教えてくれるって
解釈していいのよね?



「……きっとアリスは
勘違いをされている。


白兎様は…白兎様は……、




自らの意志で皆を
狂わせているわけでは
ないのだ…。」
< 198 / 397 >

この作品をシェア

pagetop