─ Alice ?─
誘惑の薔薇
どれくらい走っただろうか。
辺りは少し薄暗くなり始めていた。
「ハア…ハア。
ただ走るだけじゃやっぱり駄目か…」
どうにかなる。
なーんて考え甘すぎたかな…
ガサガサッ
「動物すらいないし。」
ガサガサガサッ
「ちょっぴり寂しい…」
ガサガサガサガサッ
「…。」
お、女は度胸よアリス!!
怖くなんてないわよアリス!!
「「アリスみーつけたー!!!」」
「うきゃああぁああ!?!?
…って…ディー&ダム?」
相変わらずの激かわスマイルで
私に走り寄ってくる姿は
最高の癒やしである。
「帽子屋にハーブを採ってくるように
頼まれたんだけど」
「ハーブの代わりに
アリスお姉さん見つけちゃったー。」
えへ、と笑う双子。
可愛すぎるよもうっ!!!
「そうなんだ。
一緒に探してあげようか?」
「「やったー!
ありがとアリスお姉さん!!」」
私、幸せです。
「どこら辺にあるのか分かる?」
「こっちー」
ぎゅっと右手をディーが引っ張る。
「えーこっちだよ。」
ぎゅっと左手をダムが引っ張る。
「「アリスお姉さんこっち。」」
嗚呼、可愛すぎるわよ。