─ Alice ?─
目が覚めると薔薇たちはいなかった。
日の光は優しく、不安を取り除いてくれるよう。
「よし!進もう!」
自分に喝を入れ、前に進む。
もう立ち止まったりしては駄目。諦めては駄目。
死んでもいいとか思っては絶対に駄目。
皆を救うまで、前に進む。
胸に近い、森を進む。
ピチャ
水、の音…?
~ ステ ♪ … リ ♪
歌が聞こえる。
女の人のような…
~
ス テ キ な ア リ ス
イ ラ ッ シ ャ イ ♪
~
素敵なアリスいらっしゃい?
私のことかな…
~
美 シ ク 優 雅 ニ 歓迎 シマショウ ♪
~
よく聞くと男の人っぽいなあ…
「この私がっ!!
素敵なアリス~貴女を
歓迎っいったしますう~♪」
「ひいぃっ!!!」
突然声の主は私の前に
姿を表したため、変な声が出てしまった。
突如現れたのは金髪ロン毛男(言い方失礼)
私を素敵なアリスと呼びながらくるくる回っている。
「…めんどくさ。」
あ、思わず本音。
「素敵なアリス~♪私が美しすぎるからといって~っ♪わざとそっんっなっにっ 冷たい態度をとらな~いで~♪」
嗚呼、本当に面倒な人と出くわしてしまいました私。