─ Alice ?─
何故だかわからない。
目の前の人物を白兎さんと呼んだ。
見た目はシロウサギさんだけど
雰囲気が 違う、気がする。
「何故です…何故分かっていただけないのですか女王様!!」
シロウサギさんらしき人はわなわなと震え、怒りを露わにしている。
でも女王様って…私は女王様じゃないんだけどな…
「私はただ、アリスを…ヒィッ!」
急に悲鳴をあげ、動きが止まる。
そして信じられない光景。
ゴトッ
「ひ、いぃ、いやああぁああぁあああぁぁああぁアああぁアぁあ!!!!!!!」
首 が 床に 転がっていた。
黒の空間に浮かぶ首から上の内身体。
血は出ていない。ただ、ピクピクと指が反応し、首は少し離れたところに転がっていた。
「う、嘘…嘘よ嘘…な、んでこんな…」
─ アリス、 目を逸らしてはいけないよ? ─
スペードさんの声。
そうだ…これは私の記憶。
きっとこの光景は以前私がみたもの…
ぐっ、とこらえ、目の前の光景をまた見やる。
すると、遠くに以前もみた女の子が立ち尽くしているのが見えた。
幼い頃のありす。
私が遠くから泣きそうな顔で首を眺めていた。