─ Alice ?─



知らないはずなのに。


言葉は紡ぎ出されてしまう。




思い出したわけではないのに。




「…アリスはほんっと中途半端。
いつだってそうだよね。

僕らに対してだけじゃない。



クローバーにだって、いっつも中途半端な態度ばかりとって…

クローバーが、どれだけ悩み、苦しんだかアリスは知らないから「リーフ、
それ以上お喋りを続けるようであれば、


その命…無駄にすることになりますよ。」




凛、とした低い声。


私と同じ蜂蜜色の髪。


瞳はリーフ君と同じエメラルドグリーン。

私を見つめたまま、逃がしてくれない。



その姿はまるで森の精のように神秘的で



私の心を奪うには充分すぎた。
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