─ Alice ?─



「アリス、私はこの森の主、緑の狂主。


貴女にお見せいたしましょう。

この森の悲しい記憶、



赤い記憶を。」




悲しそうな顔のクローバーさんとスペードさんが見え、意識が遠のいていく。



また、記憶が戻る。


悲しい記憶を思い出す。







─ あ り す 。─



誰? 声がする。



─ あ り す 。

目を逸らさないで。
真実を受け入れて。 ─



真実?難しいことを言うのね。
ここじゃどれが真実でどれが虚像か全く区別が付かないのに。


─ 四柱の記憶は真実の記憶。
ダイヤ スペード クローバー ハート



四人は真実しか伝えない。─




真実しか…伝えない?



じゃあさっきの話も…?



苦しさは募るばかり。
悲しさは溢れるばかりで。



私の目の前は真っ暗。
光なんて、見えてこない。
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