─ Alice ?─
炎が広がる。
森が赤く染まっテイク。
「!!!!チェシャ猫っ…なんてことを…そうだアリス、アリス!!」
黒兎さんは急いで引き返していく。
遠くで女の子の泣き声が聞こえる。
「アリス!!!僕に捕まって。早く逃げるよ。」
ありすを抱え急いで森を後にする。
炎はどんどん広がっていき、
あっという間に赤い森に変わっていた。
チェシャ猫のせいで。
チェシャ猫が火をつけたのに
「げほっ…げほ…森が、私の森が……!何で、どうして………」
赤い森を眺めながらクローバーさんは呆然と立ち尽くす。
そして目に映る愛しいありすの泣き顔と焦ったように走り去る黒兎さんの姿。
「黒、兎…………。」
違う。違うのよクローバーさん…
黒兎さんは、森を、貴方を助けようとしていた。
私を守るために戻ってきてくれただけなの。
何もしていないわ、何も、何も悪いことなんて…
悪いのは…─
「誰が悪者だ?」
!!!!!
燃えたぎる木々の上でにんまり顔のチェシャ猫がこちらをみる。
私の姿が、見えている?
「本当は誰が悪いかわかるか?アリス。」