─ Alice ?─
「はあっ…はあ……はっ…」
もう嫌。何もかも嫌になった。
私は何?どうして此処にいるの?何のために、誰のために?
味方なんて、いない。
逃げ場なんて、ない。
「ひっ…く…うヴ…お兄さん…なん、で…」
ねえ、黒兎お兄さん。
どうして私をありすにしたの?
教えてよ。
「あっ…痛!!」
枝に引っかかり、スカートが破れ、足からは血が染み出ていた。
「もう………疲れた。」
その場に座り込む。
何も考えられなかった。
ふと遠くを見ると、見覚えのあるシロの人物。
「シロウサギさん…!!!」
ニゲナクチャ
反射的にそう感じた。
しかし、遠くに見えるシロウサギさんは私を見つめ、涙を流していた。
『…けて…。」
何か、言っている?
『た………けて…。』
『助けて。』