─ Alice ?─
──怖い。
それ以外考えられないくらい、私の脳は支配されていた。
『貴女はとても美しい。
皆に愛され、皆に求められ…
そんなアリスを手に入れられたらどんなに幸せでしょう。
血に染まり、ぐしゃぐしゃになった貴女を血一滴残らず、私がタベテ差し上げましょうか?』
ククク、と笑いながら手の力を強める。
「んんっ…やめっ…やだぁ…」
どうして私はこんなに弱いの?
涙でシロウサギさんが霞んで見える。
『アリス。貴女はなんて儚い存在なのでしょう。とても弱い。なのに皆貴女を求め、狂いだす。』
意味深な言い方をするシロウサギさんに疑問を抱く。
なにか──知っている。
『知りたいですか?
何故貴女がアリスに選ばれたのか?』