─ Alice ?─



──怖い。



それ以外考えられないくらい、私の脳は支配されていた。




『貴女はとても美しい。


皆に愛され、皆に求められ…



そんなアリスを手に入れられたらどんなに幸せでしょう。


血に染まり、ぐしゃぐしゃになった貴女を血一滴残らず、私がタベテ差し上げましょうか?』




ククク、と笑いながら手の力を強める。


「んんっ…やめっ…やだぁ…」



どうして私はこんなに弱いの?


涙でシロウサギさんが霞んで見える。



『アリス。貴女はなんて儚い存在なのでしょう。とても弱い。なのに皆貴女を求め、狂いだす。』



意味深な言い方をするシロウサギさんに疑問を抱く。



なにか──知っている。









『知りたいですか?





何故貴女がアリスに選ばれたのか?』
< 257 / 397 >

この作品をシェア

pagetop