─ Alice ?─




「好き・嫌い・好き・嫌い…」


『楽しいかい?アリス。』


「うんっ!花占いっていうんでしょう?でも、ちょっぴりお花さん可哀想だね。」


秋桜(コスモス)畑で楽しそうに喋っているありすと黒兎さんが見える。


「好き・嫌い・好き…あー嫌いで終わっちゃう。」


『嫌いで終わるのは嫌?』



「だって嫌いじゃないのに…。」



『良いこと教えてあげようか?』





「良いこと?」




『全部、好きにすればいいんだよ。嫌い、なんて言葉無くしちゃえばいいんだ。みんな、みーんな大好き。それって、素敵じゃないかい?』



全部 ぜんぶ ゼンブ



全てを愛すればいい。



そうすれば誰も傷つかない。


そうすればアリスも幸せになれる。



そう言われた。



『アリスは大好きって言われたら嬉しいでしょう?だったら、これから会う住人たちにも言ってごらん?大好きって。みんな、きっと喜ぶよ。』



何も疑わなかった。黒兎さんがそう言うのなら、きっとそうなんだって。







全て、黒兎さんの計算通りだったなんて…─



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